人工膵臓の開発

厚生労働省は、平成14年の糖尿病患者数は740万人、潜在的患者数は1,620万人に上ると発表した。糖尿病は、加齢や遺伝のほか日常の生活習慣が誘因となって発病するため「生活習慣病」とも言われており、患者数は年々急増している。糖尿病の治療法の一つ薬物治療は、皮下注射で体外からインスリンを取り、血糖値をコントロールする。日機装の人工膵臓は、20年程前に重篤な糖尿病患者さんなどの血糖値を連続して測定できる装置として研究開発を行なったもので、今でも希少な製品として注目されている。

人工膵臓「STG-11A」

透析装置とダイアライザーという単一分野で伸びてきた弊社の医療機器事業も、他社の参入により透析外製品の開発による次代の柱を育成する必要に迫られた。人工膵臓は糖尿病患者を対象とするインスリンの自動注入制御装置で、日本では手がけているところはどこもなかった。
人工膵臓はインスリンを注入するポンプと血糖値を測定するセンサー、インスリン注入量を算出する計算制御部の3部門から成り立っている。なかでも、一番開発に苦労したセンサーをまず始めに血糖値連続測定装置(グルコースモニター)として販売。それに続いて、1984年2月に製造認可を取得した人工膵臓「STG-11A」を発売開始した。
弊社と大阪大学第一内科と共同で出したセンサーに関する論文は、昭和56年度日本ME学会の最優秀論文として賞を受け、人工膵臓についても大学病院を中心とした各地域の基幹施設の臨床応用例が数多くの学会で報告されて注目を浴び、発売当初から多数出荷された。
その後も継続して一つ一つの改良を行った結果、今の人工膵臓につながり、精密に測定できる製品になった。現在でも、連続注入、連続測定ができる人工膵臓は、全世界的に見ても極めて少ない。

(2004年4月)

※上記の内容は掲載時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。


トップページ > 研究開発 > 人工膵臓の開発