1997年 透析液の清浄化を追求し、「Dドライ溶解装置」を開発
透析治療は“質”を求める時代へ
1967年に透析治療が保険適用となり、後に個人の費用負担を軽減する医療制度も整ったことで、透析治療を受ける患者様が増加しました。それにともない透析施設も増え、装置はより導入コストを抑えられる多人数用のニーズが高まりました。日機装もそうした状況に柔軟に対応しながら、これまでさまざまな製品を開発してきました。
そして、1980年代から現在に至るまで、透析治療は一貫して“質の向上”が求められる時代となります。患者様はより安心して快適に治療を受けられるように、また、施設側は安全・正確で省力化が実現できる治療を提供できるよう、当社は現在も、最新のテクノロジーや最先端の素材を用いることで装置や器具の一層の進化を図っています。
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患者様に“きれいな透析液”を提供したい
透析治療を受ける患者様には、少しでも快適に過ごしていただきたい――1990年代は、患者様の“Quality of Life”や、現場で治療を行う医療従事者の負担軽減を念頭に置いた治療、という考え方が生まれた時代でした。
当時の透析液は、A・B2種類の原液をタンクに移して使用するか、タンクに移したA原液と粉末のB剤をタンクで溶かして使用するかのどちらか。しかし、液体は配送コストや保管スペースの問題があり、重いボトルの取り扱いもネックとなっていました。また、タンクへの移し替えや粉末のB剤をタンクに入れる際、外気に触れて不純物が混じるおそれもありました。
「患者様にきれいな透析液を送りたい」、「スタッフの作業負担を減らしたい」という医療現場の声をもとに、1997年、日機装は独自のDドライ溶解装置「DAD-30」とボトル型の粉末型人工腎臓透析用剤「Dドライ2.5、Dドライ3.0」を開発。この装置は、当社ならではの独創的な発想と技術力により、粉末タンクのボトルの開封を密閉回路内で行うことで外気の遮断を実現しました。さらに、原液作製の全工程が自動化されたことも現場の負担軽減に大きく貢献しました。

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