2015年 世界で初めて「深紫外線LED」の製品化に成功
水銀ランプに替わる、次世代の光源として期待される深紫外線LED
2014年、日本人3人がノーベル物理学賞を同時受賞した「青色発光LED」。これに続く新技術として注目されているのが「深紫外線LED」です。紫外線の中でも波長が短い領域に属する深紫外線は、高い殺菌能力をはじめとした特長を持ち、水や空気の殺菌をはじめ、医療や工業など、多分野へ応用が期待されています。
これらの用途では、これまでは「水銀ランプ」が使われてきましたが、水銀の人体や環境への有害性から、水俣条約により2020年をめどに取り扱いが制限されることになりました。深紫外線LEDはそうした悪影響が極めて少ないうえに、コンパクトで省エネ・長寿命というLEDならではの特長を持つ、まさに“次世代の光源”です。
日機装は、2006年から深紫外線LEDの実用化に向けた取り組みを開始し、リーディングカンパニーとして業界を牽引してきました。
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ノーベル賞受賞者とともに、深紫外線LEDの実用化をめざす
日機装が深紫外線LEDに着目したのは2006年のこと。当時、研究者の間で、紫外線は365nm以下の短波領域での実用化は技術的に難しいとされていました。しかし、その将来性に大きな期待を寄せていた当社は、のちにノーベル物理学賞受賞者となる、天野浩教授(名古屋大学)の指導を仰ぎ、2008年、わずか数十μWではありましたが、初めて深紫外線LEDの発光を確認。さらにその3カ月後には、1mWの安定的な発光に成功しました。
そして2010年にはついに外部量子効率※3%超の安定的な発光を達成し、実用に耐えうる性能・品質の実現に至りました。他の研究機関や企業での実績は1%程度という中、世界記録を一気に更新するこの結果は、一躍業界の注目を集めることとなりました。
- ※外部量子効率=外部に放射される光の割合、光の取り出し効率
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